ものづくり×デザイン | 樹脂加工が生み出す可能性

穴あけ加工をする機械

デザイナー:大内田 政隆氏
制作企業:日新電気株式会社
企業HP:http://nissindenki.com
担 当:代表取締役 奥山 隆行氏
業 種:樹脂加工
技術・機械:マシニング
制作期間:3ヶ月

BUCKLE COFFEE roasting lab.のトイレやテイスティングルームのドアサインを大田区町工場の技術を使い一緒に作っていただきました。大田区には皆さんが生活の中で触れる機会が無いけれども製造現場の裏側で支える”ものづくり技術”がたくさんあります。今回はサインを通じてそんな大田区の技術に触れてもらえたらなと思います。

 – 大田区特有の技術との出会い

素材を触りながら何ができるかディスカッション 

今回のサインデザインは、国内外の有名商業施設やハイブランドのブティック、大型ホテル等のインテリアデザインを手がける大内田政隆氏に手がけていただきました。また、大田区特有の技術を探していた我々は大田区工業連合会の高原氏(株式会社弘機商会)に相談した所、「大田区といえば、実は樹脂加工も得意だ」との事で、樹脂加工を専門とする日新電気株式会社の奥山氏と繋がることが出来ました。日新電気さんは1967年に創業し、製造機械の部品等を試作する会社です。

日新電気さんが検査器具用に作った根元に穴を開けた特殊ネジ。
エスプレッソマシンのお湯の出口にも似た形の特殊ネジがあるな〜と思った。
 

早速訪問し有する樹脂加工の技術や実例をもとに打ち合わせをスタート。数十の実例や素材を触りながら会話を進め、「穴」と「重ね」の技術を活かすこととしました。1時間の予定が皆興味津々で気付くと3時間経過…

 – ミリ・秒単位調整の繰り返し

早速製造開始!まずは、樹脂板に精密な穴を開け整列させ文字を浮かび上がらせます。機械をミリ単位で走らせ穴を開けます。ココがすごいんです!!そして、樹脂板を斜めに切り重ねることでグラデーションが生まれ半透明の素材感を最大限に活かす事としました。

アクリル板を斜めに切りグラデーションを確認 

素材によって穴あけのスピードを調整していきます。ここがズレると摩擦熱で素材が焦げたり欠けたり等、熟練の経験・技術を要するポイントです。「グラデーションが弱い」「穴の数が多いな」「板の厚みが…」等のテスト→検証→テスト→検証を繰り返しようやく完成する事が出来ました。長かった…(笑)※下の動画はTOILETのTの穴を開けている映像です。ちなみに1文字分の穴をあけるのに〇〇分かけます。

 

 – デザインをした大内田氏や製造した奥山氏に今回の取り組みについて聞いてみました。

樹脂加工工場が10社あったら9社は嫌がるという素材 

・今回のデザインのポイントは?
・なぜ今回の依頼を受けようと思ったのですか?
・日新電気の特徴が出たなという部分は?

 

断面を斜めにすることで下に行く程濃くなるグラデーションを表現 

普段の生活で何気なく手にする物には、多くのこだわり技術が活かされています。実は自分の住んでいる町で作られている物も有るかもしれません。BUCKLE COFFEE roasting lab.にお越しの際は、扉のサインも実際に見てみて下さいね。

 

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